むし歯予防効果

微量のフッ素を水道水に入れると、その水を飲む人にむし歯予防効果がある。一九四五年にアメリカ がミズ ―リ州のグランピアで始めたのがきっかけで、多くの国に広がった。主要先進国では日本だけが唯一の例外かと思われるが、水道水フッ素化を実施している市町村はゼロである。 むし歯の数を比較するとき、一二歳児の永久歯のDMF数を基準にする。 D( decayed teeth) は未処置の歯、 M(missing teeth) は抜けてしまった歯、 F(filled teeth) は詰め物などで処置した歯をさす。DMFの合計をむし歯の本数ということができる。日本の一歳児の永久歯のDMFは 三・六四本だ。ところが、外国はスウェーデン、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、フィ ンランド、アメリカなど軒並一本台を誇っている。日本は歯医者が探針で歯を突っきまわすだけではすまなかった。フッ素の利用すらままならないので ある。これでは日本人の歯をグローバル・スタンダードまでもっていこうとしても、文字どおり歯が立たない。予防にそっぽを向いたままでいるのだから。わずかに気を吐いているのが新潟県だ。水道水フッ素化よりはまだるっこいが、実施してきた。フッ素の薄い溶液を口に含んでぶくぶくとうがいするのだ。県下の幼稚園、保育園、小中学校の児童や生徒が対象で、小学校での普及率はほぼ五割に及ぶ。未実施校も含めて全県の一二歳児の永久歯のDMF数は二・四本。全国平均より0・七本少ない。新潟県は2000年 にDMF二・五本を目標にするが、二年早く目標を達成した。